作品画像
マッターホルン快晴 8F

芳野満彦展 冬の訪れ

2007年12月12日(水)〜18日(火)
会期中無休。会期最終日に限り、午後5時30分にて終了させていただきます。

会場
小田急・新宿店本館6階 美術画廊
TEL:03-3342-1111(大代表)
〒160-8001 東京都新宿区西新宿1-1-3
http://www.odakyu-dept.co.jp

◇◆◇ GALLERY TALK ◇◆◇
プロスキーヤー・三浦雄一郎 VS 芳野満彦
対談形式によるギャラリートークです
12月15日(土)午後2:00〜 入場無料/先着50名様
 芳野満彦は、新田次郎の小説「栄光の岩壁」のモデルとしても知られるように、アルピニストとして数々の初登攀記録を持ち、1965年には、日本人初のマッターホルン北壁登攀記録を成し遂げている。17歳の冬、八ヶ岳で遭難するが、九死に一生を得、奇跡の生還をしたが、両足は重い凍傷となり両足指を切断して、登山家として致命傷を負ってしまった。重度の障害を持ちながら、再び山に戻り、雪と岩壁に青春をかけた生き方は多くの人に希望を与え、その不屈の闘志は今もなお健在だ。
今回の展覧会のために制作した新作も、登山家ならではの迫力ある構図から生まれた強さと心優しさに溢れている。そして、絵に添えられた一片の詩には、山で逝った友への鎮魂の思いが込められている。
 冬山の灼熱の太陽が輝き衰えぬ不屈の魂が躍動する。伝説のクライマー芳野満彦さん(76)の山岳画展「冬の訪れ」を新宿・小田急百貨店で見た。山で逝った友への鎮魂と哀切、その向こうに希望が見えるのも芳野さんの絵であろう。

 十七歳の時に八ヶ岳で遭難、友は凍死、芳野さんは両足の土踏まずから切断、わずか十二センチの”五文足”のアルピニストとなった。だが重度の障害を背負いながら青春のすべてを雪山と岩壁に賭け一九六五年、マッターホルン北壁を日本人で初めて征服する。新田次郎の小説『栄光の岩壁』のモデルとして有名だ。

 九九年に脳梗塞で倒れ、三年後には胃がんで胃を三分の二切除した。かつて、なぜ山に登ると聞かれ「そこに希望があるからだ。だから僕は涙して歩く」と答えている。山の絵を描きだして六十年。「私など年の割にはまだ駆け出し、絵描きでなく恥かき」と謙遜する。絵を描くことで「精気を持ち直した」という。

 ギャラリーの一隅に子供の、と思われる古い登山靴が展示され、当時の日記には命の詩が刻まれていた。十五日に仲間のプロスキーヤー三浦雄一郎さん(75)とのトークがある。三浦さんも今年二度の心臓の手術に耐え抜いた。来年は最年長でのチョモランマ挑戦が控える。七十代の冒険者たちの熱い闘志に脱帽だ。
日本経済新聞 平成19年12月13日 朝刊1面より